今回は、単発で介護老人保健施設(老健)へ行った時の体験談をまとめます。
まみ
この記事を書いた人
・まみ(@mami_hybrid)30代主婦
・看護師9年目
・派遣看護師3年目
・派遣で産業保健師の経験あり
介護老人保健施設(老健)とは
老健とは、主に医療ケアやリハビリを必要とする要介護高齢者(65歳以上で要介護1以上)に対して医師のサポートの下、医療ケアとリハビリを提供する施設です。
食事・入浴・排泄などの介護サービスや生活援助も行います。
【病気やけがにより長期入院していたが、まだ在宅復帰は困難】な状態の方が利用されることが多いです。
このような方が自宅などに戻るためのリハビリが中心で、在宅復帰に特化した施設。
さらに栄養管理や作業療法士・理学療法士によるリハビリなどのサービスも提供していますよ。
特別養護老人ホーム(特養)との違いは?
・老健
在宅復帰を目指すための施設なので3~6か月程度の入所期間があります。
在宅復帰のためのリハビリを重視しています。
・特養
入所期間に制限はなく終身利用が可能で看取りにも対応しています。
終の棲家として選択することも可能。
給与
地域によって大きく変わりますが、1,000~2,000円が一般的です。
老健での1日のスケジュール
では、スケジュールを見てみましょう。
8:50
10分前に施設に到着し、挨拶と着替えを済ませます。
そのあと軽く施設の説明を受けて、担当するフロアへ案内されました。
9:00
フロアで指示を頂く看護師さんを紹介してもらいました。
看護師は、その方と私の2人でした。
夜勤の看護師さんから申し送りを受けて、業務を開始します。
9:30
フロアの入居者さんを2人で半分ずつ担当し、申し送りを受けた内容に注意しながらバイタル測定を行っていきます。
手渡されたワークシートに部屋番号・名前・主な病歴・注意点・処置がまとめられていたので、助かりました!
バイタル測定を回りながら、貼付薬の貼り替えや軟膏の塗布、座薬の挿肛を行っていきます。
10:00
この日は医師の診察がある日でした。
もともと診察予定だった入居者さんと一緒に、バイタル測定で発熱があった入居者さんも診察してもらいました。
まみ
10:30
バイタル測定が終盤に差しかかってきました。
病棟のように検査や出棟に呼ばれることはないので、時間に追われることなく自分のペースで回ることができました。
この間に介護スタッフさんはオムツを交換して回ってくれていました。
陰部の発赤や、何か異常があった際は声をかけてくれます。
生活の介助は基本的に介護スタッフさんがされていました!
私がオムツ交換をすることはなかったです。
11:00
昼食の準備に入ります。
介護スタッフさんが、入居者さんをホールまで移乗・移送してくれました。
自分で歩ける方もいらっしゃいます。それぞれの席について頂きます。
この時に食前の血糖測定をしたり、食前薬を確認します。
血糖が低い方もいたので、普段の血糖と比較したり、自覚症状がないかアセスメントします。
12:00
昼食です。
配膳を少し手伝いましたが、入居者さんの名前が覚えきれていないので介護スタッフさんが配る方が断然スムーズでした(笑)
車椅子に座っている方は、車椅子に名前が書いてあったので助かりました。
自分で食べられない方の食事介助を行います。看護師と介護スタッフで手分けをして行います
周りを見て、むせたりしている方がいないか注意しながら、食事介助をしていました。
12:30
口腔ケアに回ります。
一人ひとりの歯ブラシやコップ、口腔スポンジが準備されていました。
介助が必要な方のセッティングをしたり入れ歯を洗ったりします。
口腔ケアが落ち着いたら、介護スタッフさんが入居者さんをお部屋まで送ってくれていました。
その間に午前中のバイタルサインや特記事項を記録します。(紙カルテでした!)
13:00~14:00
休憩です。
電子レンジを借りられたので、持ってきたお弁当を温めて食べました。
私以外にも派遣スタッフさんがいて、他にもパートや正社員など、さまざまな働き方のスタッフさんがいました。
14:00
午後からは、午前中に熱が出ていた人の再検をしたり、残っている処置を行います。
ナースコールもあまり多くなく、鳴っても介護スタッフさんがすぐに対応してくれました。
まみ
鉄剤による影響か、消化管出血の可能性か、確認が必要ですね。
14:30
レクリエーションのカラオケと、おやつのために再び入居者さんがホールに集まります。
おやつは和菓子でとても可愛かったです!
カラオケ大好きな方が、準備万端でやってきました♪
1日のうちの楽しみの時間なんですね*
15:00
おやつを食べながらカラオケの時間が始まります。
日頃の練習の成果を発揮されていました!
その横で、こっそりと全員の爪をチェックし、伸びている方の爪切りを行います。
1時間ほどカラオケの時間があったので、ゆっくりと自分のペースで回りました。
私は爪切りが好きなので、楽しかったです。
16:00
記録のもれがないか確認します。
記録も全部終わったら、定時までの間に入居者さんに異常がないか見て回りました。
17:00
夜勤の看護師さんに申し送りをして終了です。
血糖や体温に異常があった方の状況や対応を申し送りました。
着替えと挨拶をして、施設を出ました。
実際に働いて分かった10のポイント
1.病棟での経験や介護技術は必要
血糖測定やインスリン注射の実施、皮膚トラブルの処置などを行うので病棟での知識は必要となってきます。
また、生活の援助は介護スタッフさんがほとんど行ってくれましたが、移乗・移送・オムツ交換・体位変換・食事介助などの基本的な介護の技術は必要です。
2.入居者さんの異常に対応するアセスメント能力も必要
39℃台の熱があったり、血糖がとても低い入居者さんもいました。
その時に、どう対応するかのアセスメント能力も必要だと思います。
看護師が1人ではなかったので、他のスタッフに相談は出来ましたが、不測の事態が起きたときに対応できる知識があると安心です。
3.急変などが起こることはあまりなく、気が楽
アセスメントの知識はあった方が安心ですが、実際に急変や即時の対応が求められることは少ないと思います。
基本的には入院患者さんではなく、リハビリ目的の入居者さんなので、そのへんは気が楽でした。
4.具体的な仕事の指示はないので、自分で考えて動く必要がある
バイタル測定や必要な処置の指示はありますが、それ以外は特に具体的な指示はありませんでした。
なので、次は何をしたらいいか聞いたり、何をすべきか自分で考える必要があるなと思いました。
手が空いた時は、手伝えることはないか介護スタッフさんに聞いたりもしました!
5.入居者さんはみんな自由に過ごされている
当たり前のことですが、入院患者さんと違い施設は生活の場なので、みなさん自由に過ごされています。
ホールでお話をしたり、ベッドでラジオを聞いたり音楽をかけたり、テレビを観たりされていました。
認知症の方がフロア内を徘徊していても、危険がなければ自由にしてもらっています。
病棟では認知症の方はセンサーマットをつけたりしてかなり活動を制限されていたので、病棟勤務が長い私からすると新鮮でした!
まみ
6.認知症の方の割合は7割くらい
認知症の方の方が多く、そうでない方は少なかったです。
しかし、認知症ですが車イスを自走して、自分でトイレに行ける方もいました。
穏やかな方が多かったです。
7.入居者さんの名前が分からない
病棟とは違いネームバンドがないので、顔と名前が一致しなくて少し困りました。
でも、他のスタッフさんに聞くとすぐに教えてくれるので助かりました!
洋服などのその人の特徴をメモして、少しずつ覚えるようにしました。
8.忙しさは日による
今回は忙しいと感じることはなく、自分のペースでのんびり仕事が出来ました。
しかし、入浴などのイベントがある日はとても忙しいようです。
9.病棟より介護業務は少ない
病棟では、看護師も一緒にオムツ交換をして回ったり体位変換をしたり、トイレ誘導をすることが普通です。
しかし今回の施設では看護業務と介護業務がしっかりと分かれていて、介護業務は介護スタッフの方が行ってくれました。
食事介助や口腔ケア、爪切りは実施しましたが、看護9割:介護1割って感じでした。
10.施設がとても綺麗
建物がとてもキレイで、気持ちよく仕事が出来ました!
まとめ
長くなりましたが、老健での単発派遣の体験談でした。
まみ
ちなみに、私は主にMCナースネットで単発バイトをみつけていますよ。
楽しそうなレア求人も多く、友人に紹介するならまずMCナースネットを推すかな。
MCナースネットがおすすめな理由は、「【体験談】派遣看護師の私がMCナースネットをすすめるたった1つの理由」をどうぞ。
また、MCナースネットの登録には面談が必要です。
実際に面談へ行った体験談は「【体験談】派遣初心者がMCナースネットの面談に行った話【私服でOK】」をぜひ参考にしてください。